「井川メンパと大井川めんぱは何が違うの?」
とよく質問をいただきます。
結論から言うと、どちらも 漆塗りの曲げわっぱ弁当箱 であり、同じ伝統的な道具です。
漆を塗っているものが全て芸術品というわけではありません。
ですから綺麗さを求める塗り方よりも、
どれだけ堅牢であるか?
長く使い込むことができるか?

という視点での漆塗りを目指しています。

静岡では、戦前から「井川メンパ」という名前で、現在の静岡市葵区井川地区を中心に、漆塗りの曲げわっぱ弁当箱が作られてきました。
戦後、生産が一度途絶えた時期もありましたが、井川では海野家が、また静岡市内では望月家が井川メンパ製造を維持していました。

静岡市駿河区用宗出身の店主・前田よしのりは、2015年に望月家で製造修行をし、その後 静岡県榛原郡川根本町千頭 に移住。
「井川メンパ大井屋」として独立し、製造・販売を始めました。2021年、静岡市清水区出身の蒔絵師・石関華が大井屋に加わったことを機に、店名を
「大井川めんぱ大井屋」
と改め、今に至っています。

「大井川めんぱ」と呼称を変えた理由は、100年先でも皆さんに愛されるお弁当箱でありたいという想いからです。
「大井川」という場所の名前を冠することで、この地の素材・技と想いを背負った
静岡MONO(もの)としての存在価値
を明確にしたいと考えました。
また、海野家が生産を止めた今、井川でのめんぱ製造は事実上なくなっています。
その現状を踏まえ、「大井川めんぱ」が最もしっくりくるネーミングだと感じています。

さらに大井川めんぱは、近代の曲げわっぱ製造の中で起きたコストダウンの流れへのアンチテーゼでもあります。現代には接着剤(ボンド)を使ったり、漆にシンナー溶剤や混ぜ物を加えた製法も増えています。私たちはこれに対して、
古来の製法を守ることを選びました。
桜の樺皮で縫い止め、天日でクロメをかけた純度の高い漆を塗り、混ぜ物のない漆を使うことで、匂いの立たない、美しく機能的なめんぱを実現しています。

これからも、大勢のめんぱ職人を育て、伝統を未来へ繋いでいきたい。
そして皆様がめんぱを手にした時に感じる 感覚・感触・その瞬間の記憶と想い を大切にしたいと考えています。
嘘のないものづくりで、皆様の食の時間に心からの喜びを届けたい。
熱い想いをめんぱに載せて、これからも 大井川めんぱを作り続けます。

大井川から世界の皆様へ

「美味しいは世界平和への第一歩」

というメッセージとともに、私たちは日々めんぱを作っています。
ぜひ一度、その手仕事と暮らしの道具としての豊かさを、
あなたの食卓で感じてください。

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